第14回 2023年6月
海や山の爽快な風景に、和洋折衷の建物が織りなす歴史ある街並み。市区町村魅力度ランキングでも上位をキープする函館のまちを、大勢のランナーが走り抜ける【函館マラソン】が今年も開催されます。
マラソンと五勝手屋。言い換えれば、マラソンと羊かん。この2つ、まるで接点がないと感じる方が大半かと思いますが、こと函館マラソンにおいては、ランナーが羊かんでエネルギーを補給する光景が見られます。
というのもこの大会、地元函館や隣接する南北海道のまちの【食】を、ランナーの水分・エネルギー補給のためのエイドステーションとしてコースに設置するという、マラソンと食との斬新なタッグが見られることでも注目されています。それは例えば、五勝手屋の羊かん、ほかには、塩ラーメン、海鮮丼といったローカルフードです。
五勝手屋では、2016年の大会よりお声がけをいただき、以降、函館マラソン公式ポスター柄のミニ丸缶羊羹をランナーの皆さんにご用意しています。“記録より記憶”。楽しむ要素が多い函館マラソンの思い出のひとつになれたら、そんな思いを込めて羊かんをご用意しています。
走りながら羊かんを食べたいだろうか。いや、食べられるのだろうか。オファーをいただいた際、私自身、率直にそう感じましたが、おにぎり一個分程度のカロリーで効率よく糖分を摂取できる羊かんは、栄養的にはマラソン時のエネルギー補給に適しているようです。また、食べると水分がほしくなるので、水の提供場所を近くに用意してもらうなどの工夫も重ねています。
コロナで大会が中止になった年以外は、2016年より毎年スポンサーとして参加している函館マラソン。ありがたいことに、エイドブースにおいては“常連”となりつつありますが、実はランナーの皆さまが走る表舞台でも“常連になれる可能性”をいただいています。
というのも、スポンサー企業は主催者から贈られる参加枠として1名がランナーにエントリーできるのですが、これまで五勝手屋からは誰も名乗りを上げず、そして私自身もいまだ走ったことがなく…といった状況で、毎年、“常連になれる可能性”だけが独り歩きしています。
心の内では、やる気になったらいつでも走れる、そう思っていますが、きっと来年もそのまた次の年も、やる気が沸き上がるのを待ち続けているのでは、とも…。
今年50歳になった節目に何かを始めよう、そうも思っていますがマラソンの可能性同様に、思い続けたまま60歳にならないように。自分自身へ、そう静かに言い聞かせている今日この頃です。
高低差の激しいコース設定で「日本一過酷なファンラン」を自称する函館マラソン。全国からランナーが参加するほか、現日本記録保持者、オリンピック出場選手などを招待し、昨年は4809名が出走しています。なお、例年7月初旬の開催でしたが、今年は高温多湿となる天候とそれによるランナーへの影響を考慮し、6月末の開催となりました。