連載:一月一話

第24回 2024年4月

五勝手屋のスタイル。

社会人を何年やっても、コミュニケーション能力が向上しません。まず、話をすることが本当に苦手。記憶をたどってみると、小学生の頃からずっとこうです。大勢の人の前で話さなければいけない学芸会なんて、自分にとって苦行の中の苦行でした。

このような状態ですから、いまだに“営業”と呼ばれるものが非常に不得意です。営業とは、自社の魅力を語って商品を売り込む行為ですが、私の場合、セールストークが3分と持ちません。商談会も同様です。相手がどなたであっても、話が続かないんです…。

これは本当にコンプレックスで、思い悩んだ時期もありました。けれど、商品には自信を持っていますから、お店を構えていれば、そして催事でいろいろなところに行かせていただけば、ありがたいことにお客さまがいらしてくれます。
コツコツとその時間を積み重ねていくうち、このような私でも常連の方がいらしてくれる“五勝手屋のスタイル”ができてきたように感じます。器用に話せなくとも、催事10年のうちに培ったお客さまとの関係性、これに支えられる場面が増えてきました。

おかげさまで、3月20日の日本橋三越での催事も多くの方に足をお運びいただき、そのことをまたありがたく痛感いたしました。いつも本当にありがとうございます。
ちなみに先日、縁起が良いと言われる「宝毛」が背中にあるのを見つけました。対人関係が良くなる暗示らしく、この4月、新たな季節にいろいろな出会いや再会があるのかなとおおいに期待しています。
 

…というわけで、2月から【催事】をテーマにお話を続けて3回目、今回が締めくくりの回となります。来月からもまた、よろしくお願いいたします。