連載:一月一話

第37回 2025年5月

失敗あり、ツッコミもあり。

一月に一話、ここに連載を書くようになって丸3年が経ちました。
ときどきですが、「読んでますよ」というお声をいただいたときは照れくさくも嬉しいです。この連載でいつか書いた『かもめ島』のエピソードをきっかけに、実際に島を訪れたという方もいました。ありがとうございます。少しでも、江差のまちの良さを伝えられるものになっていたら、何よりです。

3年もやっていれば、失敗もあります。たとえば、クリスマス時期に展示する五勝手屋恒例のジオラマの話題の中で、制作中は“居留守”が使えない、と書いてしまったこと。
当然のことながら社会人として居留守をするのも、それを公言するのもよくないのですが、その後冗談交じりに「もう居留守は使えないですね(笑)」と言われたりして、しっかりと反省しました。
また、ワインバーの話題を書いたときには、「ワインバーに行くようなキャラじゃない」と家族からのつっこみを浴びました。母や妹、会長はどうやらここの熱心な読者のようです。

そんなふうに、さまざまなことがある連載ですが、ひと月に一度でもここに文章を書くというのは、内容を考えることも含めてなかなか大変で、実はAIに文章が書けないか頼ってみたこともあります。
けれど、どうにも面白いと思えるものになりませんでした。
時折つっこまれても、失敗をしても、やはり自分で書いたもののほうが、きっと人間味や面白さが出るのではないのか、いや、どうかそうであってほしいと切に願い、また今月も書いています。
お菓子づくりにしてもそうですが、その人なりの個性や、うまく言葉にできないかたよりのようなものにこそ、魅力というものは宿るのではないでしょうか。

ECサイトを立ち上げ、その中のコンテンツとしてこの連載を始めましたが、その目的はお客さまと五勝手屋との距離を縮めることにあります。今のところ、どなたかに怒られることもなく、嫌われてもいない、プラスになっているかどうかは正直自信がないけれども、決してマイナスにはなってはいない、そう感じていますので、これからもここに自分のこと、江差のこと、日々の気づきなどを書いて参ります。
書くことによって私自身の考えも整理されたり、新しい発見にもつながっていますので、どうかこれからもお付き合いください。