第46回 2026年4月

今月の20日から、函館 蔦屋書店で函館・道南エリアの老舗が集うイベントがあります。テーマは【オールド アンド ナウ】。五勝手屋も勝手ながら江差町の代表として、さまざまなお菓子を持って参加いたします。しかも、せっかくの機会ですから同じくイベントに参加する函館の千秋庵さんとのコラボも企画しています。
千秋庵さんは、五勝手屋より10年先輩の1860(萬延元)年創業。千秋庵×五勝手屋の、このときだけの限定のお菓子もお披露目予定です。どうぞ、お楽しみに。
さて、このイベントをきっかけに、【老舗】というものについて少し考えてみました。基本的に老舗とは、自ら名乗り出るものではなく人から言われるもの、ではないかと私は思っています。
でも、人々は何をもって老舗を老舗と捉えているのでしょう。たとえば、その商いを行っている一族であったり、あるいは商品であったりするかもしれません。まぁなににせよ“長く変わらずにある”ことが、条件のひとつなのは確かですね。そして、それでいうと五勝手屋では、看板商品の赤い丸缶羊かんがその役割を果たしているでしょうか。

五勝手屋もいつの頃からか【老舗】と呼ばれるようになりました。これは、大変にありがたいことです。昔々からやっていて、地域の中のお店として支持や信頼をいただいている。「老舗」という言葉の中に、そうした意味が含まれていると感じます。
けれど当然、そう呼ばれることにあぐらをかいてはいけません。しかし、あぐらをかいているような、どっしりとした佇まいは必要だとも思います。安心感、信頼感。大木のようなイメージ。
ただそうして、老舗と捉えられていることがありがたく、その恩恵も受けていますが、反面【老舗】の枠にがんじがらめになってしまうこと、これも非常によくあります。
ご期待にこたえなければ、というプレッシャーはもちろんのこと、五勝手屋のイメージに合わない(とお客さまが感じられた)変化やチャレンジは受け入れられない、ということもあります。そうした中で、あくまでもひとつのお菓子屋として、お菓子づくりを楽しみ、切磋琢磨していくこと。老舗と呼んでいただいても、自らで“老舗”をやってはいけない。このことを大切に思っています。

さて、つらつらと思いを語ってきましたが、そんないろいろな思いの中でそれぞれに商売を続けている“老舗”の集う今回のイベント。各店の模索、挑戦、奮闘、伝統を背景にした、老舗の“今”。100年を超える老舗企業たちの歴史の裏にある守らなければならないものと、今であり続けるために産まなければならない悩み、そんな姿をぜひ皆さまに見てもらえたら。たくさんのお越しをお待ちしております。会場でお会いしましょう。
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百年祭 老舗衆の百紀夜行
会期 2026年4月20日(月)〜4月26日(日)
場所 函館 蔦屋書店 各所